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愛情を、注ぐ。

慈しむ。

自分より弱いものに、思いやりや愛情を注ぐこと。

慈愛。

親が子供をいつくしみ可愛がるような深い愛情。



今日は誕生日です。

誰のかって言うと、親友Nのです。

大学に入学し、同じ学科で仲良くなったN。

沢山の友人たちと飲み会をしたり、しっぽり我が家でのんびり鍋をつついたり。

本当に楽しい日々でした。

大学3年の秋、突然失踪したN。

冬に帰ってきたその時には、既に息を引きとっていました。

失踪時の状況、事件性の面からも捜査があったようですが、最終的に自ら命を絶った、という結論に至りました。

大学で1番仲が良いと思っていた人が、なんの相談や素振りもなく、この世からいなくなる。

人ってこんなに涙が出るものなのかってくらい泣きました。


あれからもう、10年以上が経つ。

彼は絵を描くことが好きでした。

かつて住職が彼の絵を見た際、その絵にはどこか「影」を感じたそうです。

いま思えば、自ら命を絶った彼にどこか「彼らしさ」を感じている自分もいます。

毎年お墓参りに行っていましたが、コロナが流行ってからは県をまたぐ移動も憚られ、ここ数年は行けていません。

彼が眠るお墓には、「慈」の文字が刻まれています。

わたしに出来るのは、この世を去った彼を偲ぶこと。

そして彼のぶんも周囲に愛情を注ぎ、生き尽くすこと。

慈しむ心を、持ち続ける。

ハッピーバースデー。

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