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言葉と語感とラーメンズ#5 第7回公演『news』前半

『news』全9作品中、前半4作品のお話。

1.私の言葉が見えますか

正確には、言葉の意味を見ている感じです。

相手の姿は見えないけれど、声は聞こえる。というより、言葉が見える。
それは、黒い画面に文字が流れていく、字幕のような感じなのでしょうか?
想像するに、この二人の会話は台本のセリフ(言葉)とト書き(言葉の意味を含む外部情報)のように見えているのではないかと思います。
例:わたし「私の言葉が、聞こえますか?」(いぶかし気な様子で)
声ではないとする時、そこに強弱や感情が込められているとしたら、どんなふうに表されているのでしょうか?
最近では、発した言葉の内容に合わせて文字に色がついたり、強弱で文字の大きさが変わったりする字幕が開発されています。
手話を学んでいる身として、情報保障における「文字表現の拡張」には大変興味があります。
この2人がどんなふうに言葉の意味を見ているのか気になるところです。


2.読書対決 news篇

おやゆび姫は、足の親指位しかない。…一寸法師の。

第一戦、「一寸法師」と「おやゆび姫」の読書対決。
小ささを張り合うのに、この言葉の返しはいい意味でズルい。
以降、泥試合になるのは読書対決のお決まりです。
最終戦、「地球の歩き方 日本」と「地球の歩き方 アメリカ」の対決もオチが見事です。


3.バッハ

その角に、そういう名前の子供がいるわけじゃなくて…
ケンタッキーの略なんすよね…

冒頭、地図に書かれた言葉をどう解釈するか?
なるほどそういう解釈の仕方があるのかと、ばかやなぎさんには感心します。
日頃のコミュニケーションやビジネスで解釈のズレがあるのは困りますが、
こうした言葉の解釈の「噛み合わなさ」が笑いを生むのも事実。
柔軟な解釈が出来ると、言葉の使い方やユーモアの幅も広がりますね。


4.雪男

人がいいにもほどがあるなんて人によく言われるほど人がいい人

賢太郎さんが演じる、二十一郎の言葉。
音も見た目もリズミカルで滑らかな感じがある言葉で、気に入っています。
早口で10回言えたら、あなたも人がいいにもほどがあるなんて人によく言われるほど人がいい人にきっとなれると思います。
また、「雪男」は毛むくじゃらの怪物のイメージですが、「雪女」は美しい人の姿のイメージがあります。
この違いは何なんでしょうね。
諸説あるようですが、雪男は未確認生物の一種、雪女は妖怪の一種で、雪男という名前は特に性別を断定しているものではないそうです。
つまり、女性の雪男も存在しうるという事?それは…雪女?
雪の世界も、ジェンダーレスで良いと思います。


後半へつづく。


ではまた。

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