見出し画像

言葉と語感とラーメンズ#16 第12回公演『ATOM』後半

いよいよ「採集」が登場。

『ATOM』全6作品中、後半3作品のお話。

4.路上のギリジン

おーニューのバンブーホース♪

ギリジンシリーズ第2弾。
竹馬は、英語でBamboo horse…?
Weblio和英辞典では、竹馬はstiltsと訳されます。
果たしてBamboo horseは海外の人に通じるのでしょうか?
おそらくこの場合、木馬のようなものがイメージされる?
では、竹で作った竹製の木馬は?…竹馬と呼んでよいでしょうか…?


5.採集

 これは是非、予備知識なしに最後まで観て頂きたい作品。

ラーメンズの魅力を感じるうえでの「必修作品」と言っても過言ではありません。
言葉一つをピックアップするのも憚られる程、タイトルも含め、言葉・伏線の回収が美しい。そして、この作品の結末。
ラーメンズのネタがコントというよりも、演劇・舞台作品と言われる所以はここにあります。


6.アトムより

片桐「だって『大マンモス展』のすよ。ただの“マンモス”でもデカいのに、それが“大マンモス”となると、とんでもないことになるだろわいよー」
小林「あのさぁ……“大”っていうのは、その展覧会の規模のことなんじゃないですか」

「大」。
名詞の頭につくか後ろにつくか?
それにより「大」のついた言葉の意味が変わってくる。
片桐さんの「大マンモス」では、大きい、広い、数量が多い、などの意。
「大男」「大海原」「大人数」。
小林さんの「マンモス大」では、物を表す語の下に付いて、それとほぼ同じ大きさであることを表す。
「こぶし大の石」「実物大に作る」「等身大の像」。
※デジタル大辞林より参照
いつかどこかで「大マンモス大展」という言葉が使われることを期待しています。
考えてみれば、「マンモス」も大きさや規模を表す言葉ですね。
生徒の人数が多い学校を「マンモス校」って言いますし。
「大マンモス校」と言ったら、大きいマンモスが通う学校。
もしくは、ものすごい生徒が多い学校。
「マンモス」って語感はやわらかいのに、インパクトが強い言葉ですね。


●全体を通して

これまでの公演に比べて一作品ごとの時間が長く、濃密な作品集と言える公演です。
濃厚なスムージーを飲んでおなかがいっぱいになったのに、また飲みたくなる感覚。
「路上のギリジン」の後に、「採集」を持ってくるという構成。
作品の毛色にギャップが大きく、しかし両方とも印象に残る。
脚本を書く小林さんの発想の幅の広さと深さ、言葉選び、そして二人の演技力。
単品で見ても面白いですが、一連の流れで観ることでその作品の真の魅力が分かる。
改めて、公演は全てを通して一つの作品なのです。




次回は第13回公演『CLASSIC』です。


ではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?