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執着心を増大させてしまう!ご褒美制度の危険

15秒で分かる今日のポイント
●「10分チャレンジ」のご褒美としてYou Tubeを見せていた我が家の問題点●「自主性」と「規制」の狭間に生まれた我が家のバウチャー制度
●親子の決め事を母と子だけで決めない(夫を巻き込む)ことはどんな些細なことにおいても重要

我が家のもやもやするご褒美制度

我が家ではもう何年も実施している、ちょっともやもやしていた決め事がありました。

それは、10分タイマーを付け、娘が明日の準備を時間内に終わらせることができたらYou Tubeを10分見せてあげる

というもので、娘は毎日のこの「10分チャレンジ」をけっこう楽しみにしていて、終わるとiPadを持ってきて「はい、10分お願いします!」と言うのですが...

「10分以内に終わらせてYou Tubeというご褒美にありつく」ことが目的であるがゆえに、準備が段々雑になっていました。

これって...なんかあかんのでは?と思いつつ、日々の忙しさから、漫然と続いていたこの制度、

先日子育て講座で皆さんに相談したところ、とても意味のある指摘をいただき、改定することになりました。


子供は「ご褒美」として設定されているものにどんどん執着する

「一番目から鱗」だった話は、子供はAをしたご褒美にBを与えられると、

A=嫌なこと・したくないことと認識する
B=好きなこと・嬉しいこと・もっとしたいこと、として執着する

という話でした。

なので、今回の我が家のケースだと、
A=明日の準備=嫌なこと・したくないことと認識
B=You Tube=好きなこと・嬉しいこと・もっとしたいこととして執着

上記のような構図を親自ら作っていたわけです。


面白いなぁと思ったのは、ある体操教室を営む男性の話。

子供に逆上がりが出来たご褒美に「校庭一周走ってきていいぞ!」というと、子供は走ることを好きになるが、

子供が逆上がりが出来なかった罰として「校庭一周してこい!」というと、子供は走ることが嫌いになる、

という話。

すごく面白いな!と。

我が家は次の日の準備が時間内に出来たご褒美としてYou Tubeを見せ、時間内にできなかった罰としてYou Tubeを取り上げていたわけで。

これって親が意図するのとは全く逆の効果を生んでいたことになります。



「そもそもの目的や互いの希望は何か」を出し合い、決まったバウチャー制度


そこで早速、家族会議を開きました。

先ず、親の希望と娘の希望を互いに出し合おうという話になり...

<親の希望>
・You Tubeを見せない、ということはしたくない
・自分の意思で時間を決めて見て欲しい
(でもあまり長々と見て欲しくない)
・明日の準備は丁寧にきちんとして欲しい

<娘の希望>
・You Tubeを見たい(できれば好きだけ見たい)


話し合った結果、明日の準備とYou Tubeは切り離し、You Tubeの閲覧については「バウチャー制度」が適応されることになりました。

バウチャー制度とは、いわゆるチケット制です。

1枚5分のチケットを毎月40枚発行し、毎月合計200分までなら、娘が自分で決めた枚数を、一日に何枚使ってもいい、という制度になりました。

200分は、「平日の毎日、1日10分見る」計算です。


この制度なら、

○娘は自分で好きに見たい時間を決めることができ(一日で全部使っても良し、毎日ちまちま使っても良し、次の月まで繰り越しても良し!)、娘の自主性にある程度任せられる

○親は月の上限時間を決めることで、永遠に見続けることを阻止することができる



小さな自主性の一歩

この制度を適応して現在で3ヶ月になりますが、今のところ、意図したとおりに進んでいます。

娘は、自分が今日はたくさん見たい!と思った日は4-6枚(20分~30分)使い、バウチャーが尽きれば、その月はそれ以上You Tubeを見ることは求めてきません。

月初めにバウチャーがたくさん手に入ると気持ちが大きくなるのか一気に使う癖がありますが、減ってくるとちまちまと使うようになったりして、月初めに使いすぎたな、と自分の行いを反芻しているようで...笑

使い方にも変化が出てきているのが見ていて面白いなぁと思います。


限られた資源の配分を自分で考えて決める、というのはお金の使い方に通じる部分もあり、悪くないなと思っています。


親としては「自分で決める」という自主性を尊重したい!

でも子供がすることに全て任せるのも不安がある、というシチュエーションって多いなと思います。

もっといい方法はあるかもしれませんが、とりあえずこれが家族で話し合って決めた1つの方法なので、そこにも意味があるように感じています。



母と子だけで決めないことも地味に大事

まず、互いの目的や意図、求めることを1つのテーブルに出し合ってみる。

そこから互いのニーズを検討しあってみんなで決める。

自分もいる場所で決められたことに、人は責任を持とうとします。

子供との決め事を作る場面には、夫にも必ず同席してもらうのが、地味に大事だなと思っています。

つい、一緒に過ごす時間の長さから、子供と母親だけで決めてしまうことって多いですが、色々な意思決定に夫を巻き込んでおくことは、夫から思わぬいい意見をもらえるというメリットもありますが、

それ以上に子供の成長や教育に対し、夫にも責任を担ってもらうことに繋がります。


当然親なので、夫も子供の成長や教育に責任を持ってもらっているはずですが、

自分の知らないところで話が進んでいることが、どんなに些細なことでも複数回積み重なると、

人は責任を心理的に放棄し始めます。


よく無責任な上司が言う「俺、聞いてないし」ってやつです。つまり、拗ねているだけなんですけどね。

なので、小さなことでも「一緒に決めよう!」「一緒に話そう!」と巻き込むことは地味に大事なことじゃないかと思っています。


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