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花を買うということ


「花屋なんて儲からないですよね。私、花買わないですもん。」と会社の25歳の女の子が花屋を通り過ぎながら言った。ああ、そうか彼女は花を買わないんだ。

私も最後に花を買ったのはいつだったか、みたいな感じではあるけれど、買わなくは、ない。去年は隔週で花がポストに投函されるサブスクリプションサービスに加入していた。ウキウキするけれど、暑くなったり、好みじゃない花屋さんから届くこともあって止めてしまったけれど。

私は本当にやばいときに花を買う。メンタルと体がけっこうぐったりな時。ちょっと弱っているくらいの時だったら癒しとしてケーキなんかを買うけれど、それを越してしまうと胃が弱っていて、変なものを食べるとリカバーが大変になるから。へとへとで自分に優しくしたい時に、花を買う。

私は動物より植物が好きな質で、花を見ると脳がとろける。「かわいいね〜かわいいね〜よくうちに来たね〜その角度最高!何もしなくてもすばらしいね〜かわいい〜かわいい〜」とグラビアアイドルを撮影するカメラマンのように、若い女の子を溺愛するように愛でる。脳の中を賛辞で満たす。

幼稚園の頃から造花が嫌いで、今もプリザーブドフラワーやオイル漬けの花が好きではない。あと、花束にときどきあるけれど葉っぱをホチキスで止めるのがつらい。綺麗な時期は限られててもいいから、私は生のお花が、植物がいい。

今年は、師走の忙しさをお正月にリセットできなくて、年が明けてもなんだかせわしない。けっこうガタが来ているのでお花を買って帰ろう。というか追いつまらなくても、お花と植物と一緒に暮らそう。今年は。

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