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しあわせはゆっくりと後ろから


最近の私の日常はとてもゆるい。

家族が全員でかけた後にゆっくりと洗濯物を干す。

朝ドラの時間は手を止めて物語に没頭する。

その後、掃除機をかけたり玄関や水回りをきれいにする。

やりたい家事のすべてが終わり時計を見ると、午前中の半分はもう終わっている。

ちょっとひと休み、とお茶を淹れ本などをめくっていると

「あら、もうお昼じゃない」

とまぁ、だいたいこんな感じだ。

家がスッキリして気持ちがいい。

とうれしくなる一方で、家のことしかしていないこの状況に

「何もせず半日が終わってしまった…」
「こんなのんきに過ごしていていいのだろうか…」

という自責の念がどうしても湧いてくる。

だが、ベランダで揺れている洗濯物を眺めていてハッとした。

これはいつかの私が望んでいた生活ではないかと。

自分の欲しいものや理想の生活の風景、憧れているものなどのイメージを制限せずノートに貼り付ける。

そんなワークをしたことがあった。

イメージを先行させることで願いを叶える効果があるそうだ。

こんな服が着たい、こんなところへ行ってみたい、こんな体験をしてみたい。

たくさんの写真を貼り付けたが、私が最後のページに貼ったのは、普段着で洗濯物を干す女性の後ろ姿だった。



ノートに記された日付は2017年

当時はフルタイム勤務の会社員で二人の子はまだ幼く、部屋は散らかるのにその都度片付けることや掃除機をかけるなど、生活環境を整えるための時間や体力が足りていなかった。

クタクタになりながら布団に倒れ込む毎日に、私が願った理想は

ただ、のんびりと丁寧に
家族のことができたらいいなぁ…

ということだった。

まさに、今していることではないか。

なんとまぁ、あれから6年も経ったの?とちょっと笑ったけれどあの時の「こうだったらいいな」がちゃんと実現したのだと気づいたら、素直にうれしく、胸が弾んだ。

ここまでを振り返ると、頑張ったことも、手放したものもたくさんある。

それがあってようやくここまできた。

自責などしている場合ではない。

この豊かさをもっと受け取ろう。

あっという間に手に入れたものは、あっさりと手元から逃げていく。

ゆっくりと時間をかけて辿り着いたこのしあわせはきっと本物だ。

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