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プログラムの作成について


↑〝作家さんが締め切りに追われながら、ホテルに籠って執筆する光景に憧れて、旅先のホテルでわざわざ楽曲解説を書いてみる人〟です。旅先だと窓から見える景色にまで気が散ってしまうので、結局たいして捗りませんでしたが...
久しブリに『自分でコンサート企画してみました』にまつわる記事を書きます。
公演の印刷物を業者に発注する時にはチラシ、プログラム、チケットの3点セットでお願いして、デザインを揃えてもらいます。チラシとチケットをまず作成し、公演の1ヶ月半ぐらい前にプログラムの製作に取り掛かってもらいます。

演奏会当日にお配りする「プログラム」に書くことは主に3項目です。
◇演奏会概要
◇楽曲解説
◇出演者のプロフィール

演奏会概要は演奏曲目や日時、演奏者、会場、主催者、協賛など事前に出回るチラシや広告に載せる情報とほとんど同じ内容になります。
「楽曲解説」は載っている場合と無い場合があるようです。主催者の意向によりますが、全く知らない曲を聴くお客様のことを考えると、数行でも曲の紹介があったほうが親切だと個人的には思います。
そういえば、新型ウィルス流行中にようやく演奏会が再開された頃は客席数を半分に制限し、感染症対策の観点からプログラムの配布をやめ、インターネットで公開するケースもありましたね。
楽曲解説は演奏者が書くときもあれば、音楽評論家にお願いすることもあります。インターネットの普及により誰でもパソコンを開いてググれば、簡単に曲や作曲家についての知識を浅く得られる時代になりました。インターネットで拾える情報をわざわざプログラムに書いたところで面白くないので、最近では演奏者が楽曲やその日のプログラミングに対して抱いている特別な想いや考えを、自分の言葉で書いて観客に伝えるケースも増えてきたように見受けられます。
私は自分で書くことが多いのですが、解説を書こうと決めると「何か面白いこと発見できないかな〜?」という視点で楽譜をよく見たり専門書を読んだりするもので、学んだことを整理したり理解を深めていく良い機会となっています。また、明らかにどこかから引っ張ってきたような文章にならないために、日本語の文献だけではなくフランス語の文献やwebを漁ります。大抵の場合、日本語ソースよりも学術的で、より詩的な表現で書かれた文章を見つけることができます。

次に「出演者のプロフィール」ですが、普通は受賞歴、学歴、演奏歴などこれまでの音楽活動について400文字〜で書いてあります。多少、くだけても大丈夫なコンサートであれば、いつもと少し違った観点から書いても面白いです。すでにチラシには音楽活動歴のプロフィールが載っていますから、プログラムの方には好きな食べ物や趣味など、少しプライベートっぽいことを書くことでお客様に親近感を持ってもらえます。一度カルテットの演奏会を企画した時は、みなさんに5つの質問に答えてもらいました。①趣味 ②音楽家にならなかったらやりたかったこと③小さい頃に得意だったこと④子供の頃の1日の練習時間⑤老後の夢、です。出演者同士でも読んで「へ〜〜〜そうだったの?」と言い合い、コンサート聴きに来なかった友人たちにも「このプログラムちょうだい!」と言われたりして、わりと好評でした。

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自分でコンサートを企画する時は、そのあたり自由に工夫できるのが良いですよね。様々なタイプのコンサートに自分で足を運んでは、チラシのデザイン、プログラムの内容、チケットの販売方法など端から端までじっくり見て「ここ予算削ったんだね」などと内心で考えながら、参考にさせてもらっています。

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