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「農業」は職業の選択肢になかった。

いろいろあって、農家になったわけですが、さて、なぜ?

私の母の実家は山梨県南アルプス市で果樹農家をしています。夏休みは毎年帰省して、農業をする祖父母の姿を見てきました。

「農家の嫁にはなるな」小さい頃からよく耳にしました。祖母は先生一家の娘なのに、農家によく嫁いできた、みたいな話もよく聞いた。それでも、祖父の家はとても良いお家で、背も高くて素敵男子で、恋つづ的な、バランスなのに。いや、おばあちゃんもとても可愛い人だよ。でも、おばぁちゃんよ、お見合い一度、断ったんだって?でも、なんで断ったのか、そういう話聞いたことなかったな。農家だからだろうって、みんな決めつけてたから。結局、再度の申し入れを受けて、2人は結婚して、母がいて、私がいるというわけです。2人とも私たちが農家になる前に亡くなった。素敵な夫婦だった。

それなのに、「農家の嫁にはなるな」「農家にはなるな」って変なの。って、いつも思ってた。だって、自分たち、農家じゃん!農家の嫁じゃん!って。長い人生いろいろあったのかもしれないけど、今こんなに素敵な夫婦で幸せそうに暮らしているのに、なぜそんな風に言うのかー?と。

そして、私の母。私たちが農業やりますって言った時、一番ブツブツ言ってたかもな。明確に反対しているわけではなかったけど、そんな大変なこと。って何度も言ってた。ほんと、東京で働くことの大変さ、甘く見てませんかー?って思った。それに、イメージが昭和のまま止まっていすぎ。一家に一頭牛がいて、お田植えの時期は学校が休みになって働かされ、一年中休みなく働いて、家族で旅行した思い出なんてほとんどない。ごめんなさい。私たちはそういう農家にはなりません。

就職を考え始めたとき、職業として「農業」は選択肢にもなかった。祖父母の農家は叔父叔母が引き継ぐのかなー?っていう思いはあったけど、そもそも、農家じゃない、農地をもっていない人が農業を職業にするというイメージはなく、農家に嫁にいくと、農家になってしまう。ぐらいに思っていた。東京で恋愛をする限り、農家の子にはなかなか出会えなかったし。

こうして振返ってみると、大人の言葉ってすごく子どもの中に残っていくんだと感じます。親や親戚が農業を否定していれば、それはいけないものなんだと思ってしまう。そう、親戚に国立大学の大学院に進んだ、お姉ちゃんがいたんだけど、すごーいって思ってたのに、30近くなってもお嫁に行かない、頭がいいのはいいけど、あまり高学歴すぎれば嫁の貰い手もいなくなる。って大人たちが言っていて、学校の成績が良ければ喜ぶけど、女はほどほどが良いって本当は思ってるって、勝手に刷り込みされていたと思う。それに、いくら勉強したところで、結局は誰かの嫁になって、主婦という職業につくことに大人は喜ぶんだなと。これを聞いたのが男の子だったら、真逆に捉えるのかもしれない。それもまた、勝手すぎる刷り込みになる。時代も変わるし、人の考えも変わっていく、そんなこと、小学生の私にはまったく想像できていなかった。

きっと人それぞれ、大人の言葉の影響をうけて生きているんだろうな。

農業って、こんなに素敵な職業なのに、
どうして誰も、教えてくれなかったんだろう。
どうして、気がつけなかったんだろう。

今日はこれぐらいにしとこ。
農家になった、なぜ?にはまだ話が届いておりませんが、自分にプレッシャーにならないようにと兼清先生から、アドバイスあったので(笑)

では、みなさん、次回までお元気で。
ごきげんよう、さようなら。

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