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私がコーヒーを淹れる理由

人生の時間軸の中で自分ではどうしようもできない時や出来事がある。そんな時は、焦るのか諦めるのかと考えたけれど、結果は向き合うという感じで落ち着いた。いつか来るであろうその時を、静かにコーヒーを淹れながら待っている。

昨日アマゾンプライムビデオで、たまたま〝私がケーキを焼く理由〟というう映画を見つけた。実話を映像化したものらしいが、内容にはそんなに共感できなかったが、私が〇〇する理由が変に胸に響いた。そう、私はケーキでなくコーヒーを淹れ続けているのだ。映画の主人公は友人の為に焼き続けたが私はなぜ淹れ続けるのだろうと、理由を考えると止まった時が前に動き始める気がして面白かった。夫がたまたま中川ワニという焙煎人だから?その人は、店舗を持たずして約30年弱あまり一人でコツコツ続けられてるその生き様を誰かに伝える為?いやいや、いや違う?本当の答えは日々暮らしていく生活の中のどこかで分かるのかも知れなね。

思い返せば私が今の環境になる前、神戸で暮らしていた時だ。

親友のたっての希望でコーヒー教室に参加することになったのがそもそもコーヒーを淹れるきっかけの始まりだった。私は紅茶派でコーヒーは全く飲まないのではなく飲めなかった。飲むと頭が痛くなるというか、あの甘い香りからは考えられない苦味がどうも好きになれず、また茶葉が持つ分かりやすさ(香り=味的な)は、日々食べるスイーツマッチしやすかった。が、この世で1番友達が大事な私にとって、そのたっての願いを聞かないわけにはいかず参加することを決めたが、淹れたこともないのに参加するのもどうだろう?(ついていけるか?)が疑問だった。またどんな人に習うかも知らないで参加するのはどうだろうと思ってどんな人物か友人に尋ねると

「私のコーヒーの先生で、とても美味しいコーヒーを作る人なんだよ、コーヒーってとっても楽しいって教えてくれる感じなんです。でも、無理しないでいいから、しんどかったら外で休憩して売れればいい」

てな答えであった。小さな小さな喫茶店を営む友人の店は通常でも6人も入れは満員御礼なぐらいの広さなのに10人+彼女と先生というのだから窮屈に思えた。(まあ、外で休憩できるならそれも我慢できるか)が私の心の声だがどんな容姿なの?と話だけではわからないので顔が見たいと伝えたら以前一緒に撮った写真があったはずと見せてくれた。ラクダ色したよれたセーターの胸に小さなクマのワンポイントが付いていてパナマハットを被ってコーヒーを淹れようとする側で私の友人が笑ってる瞬間だった。なんだ、おじいさんかと初老に見えたその姿に安心をして分かったと帰ろうと思ったが、ちなみになんて名前と尋ねたら

「中川ワニさん。中川ワニ珈琲教室ですよ」

とコーヒーがカタカナでなく感じだった。ふ~んと思ったらその写真上田さんにあげますと、もらっても困るが友人の希望なので黙ってもらった。

中川ワニって変な名前だなぁと思って、友人の店の近くになる六珈というこれまた小さな喫茶店にその人物を知っているか聞きに行った。僕の師匠ですというのにびっくりする私と同時に

「え、コーヒー飲めない上田さんがコーヒー教室参加するんですか⁈それもワニさんの!」

とびっくりが2個重なったのだが彼の発言“の!“が気になった。いったい何がそんなに驚くのか?とたまたま隣の席に座ってた成瀬さんにも話を聞くと(成瀬さんは当時六珈のコーヒー豆を焙煎していた人で配達に来てた)

「ええ!」

というのだから今から思い返すと大袈裟な話だが、謎の中川ワニさんを調べないととより思ったきっかけだった。今のようになんでもネットで調べる時代でもまだなかったし、ネット自体に興味がなかったので聞き込みが唯一その人物を知る術だった。二人がいういは気難しく、中川ワニにしか焼けない独特のコーヒーを焙煎していて好きな人1度飲むとクセになるし苦手と思う人はコーヒーじゃないというというらしい。六珈の店主はワニさんのコーヒーの美味しさがきっかけでこの道に入ったと行っていた。

数少ない情報だがコーヒー教室に参加する前に練習する方がいいと思い3人(友人、六珈、成瀬さん)に習うことにした。ちなみに、コーヒー教室が開催されるのは5日後の話である。わたしがコーヒーを淹れる教室に参加する為にコーヒーを淹れる練習をしたそれが理由だ。

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