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使わないでと言ったら売上が倍になった話


こんにちは、現役MRのきすけです。

前回は、
プロコーチから客観的視点で語られた
「MRで知らず知らずに身に付いている力」
についてお話させていただきました。

有料プランをあえて
紹介してこなかったコーチ

結果、
短時間でぼくはこのコーチに
信頼を寄せました。

この、

売りたいものをあえて
引っ込めることで得られる信頼


について、今回は自身の
経験をお話させていただきます。


ベテランの先輩から引き継いだエリア

何年も前の話です。

転勤ののち
担当歴の長いベテランの先輩から
引き継いだエリアを
まわることに

先輩も、THEベテランらしく
激強のところと、
ぜんぜん行っていない施設で
はっきり色が分かれている
エリアでした。

なので、

先輩の強かった
数字大きいところは
早いところ顔を作りつつ

新規開拓も
どんどんしていこう!

という意気込みで
仕事をスタートさせました。


MSさんに連れて行っていただいた新規先

頼りにしていたMSさんから
こんなお誘いが

MSさん:「〇〇さん(ベテランの前任)は全然行っていなかったけど、△△(主力品)の売りもあるし、Aクリニック一回行ってみない?あまりMRと会わない先生だけど、オレなかよしだから」

いろいろ新規開拓せねばと
思っていたので
ありがたく連れて行って
いただくことに

こういう処方元に強くて
顔をつないでくれるMSさんがいると
MRはホント助かります。


競合はプライベートな付き合いもしていて"激強"

事前情報では
どうやら競合メーカーのMRが
釣りとかゴルフとかいろいろ
プライベートの付き合いもやっていて
Drと仲も良く激強とのこと

でも一つだけ
不思議なことがありました。

そんな激強他社の競合品より
長年顔すら出していなかった
うちの製品の方が
処方量が多いというんです。

なにか理由があるはずだから
Drに聞いてみようと思い
面会当日を迎えました。



競合品より自社品が出ていた理由

診察室に入るとそこには

少し色黒で、50前後の
体育会系ノリのDr

いかにも
"義理堅そうな雰囲気"

Dr:「〇〇(会社名)さんはずっと付き合いがなかったから会うか迷ったけど、〇〇(MSさん)くんが言うからさー」

お会いいただいことに
お礼を伝え、少し小話したのち

例の、自社品が出ている謎について
ストレートに聞きました。

ぼく:「先生、うちのメーカーはずっとお伺いしていませんでしたし、きっとよくは思っていないはずです。そして、〇〇さん(競合)と懇意にされていることも〇〇(MSさん)から伺っています。
どのような理由で、弊社製品をお使いいただいているのでしょうか?」


Drの回答はこうです。

Dr:「あぁなるほどね。
おたくのが"薬価が一番安い"からだよ
うちの患者さんは、
少しでも安いほうが良いという方も
少なくないんだ。」


なるほど、
患者さん想いのDrです。

でも、違う。
薬価は競合の方がむしろちょっと安い!


どうやらDrは勘違いによって
うちの製品を使っていくれていたようです。

さて、
ここでとりうる
選択肢は2つです。


  1. 知らぬふりをしてやりすごす

  2. 正直に言う



あなたならどうしますか?


正直、ぼくは一瞬、心のなかで迷いました。
(本当のことを言いたいけど、きっと言ったら売上は減る。どうしよ…と)

多少の魔が差したのは白状します。

でも、そんなカッコ悪い
ことはしたくなかったので
正直に話しました。

ぼく:「先生、大変ありがたいんですが、
じつはうち、一番安くないです…。
B(競合品)の方が、〇〇円安いです。
薬価を気にされる患者さんには、
B(競合品)への切り替えもご検討ください。」


売上が減るのは正直キツイけど
もともと会ってくれるだけでラッキーだし、
また他の製品でがんばろと
心の中ではすでに開き直っていました。

「わかった切り替えるね。」

と言われるかと思ったら
反応は意外なものでした。

Dr:「君、偉いね。
そんなこと言うMRさんめずらしいよ。
いいよ、
薬価もそこまで大きく変わらないし
患者さんも変更は嫌がると思うから
そのまま使う。」


ちょっとウルっときたし
もうこのDrのことが一気に好きになりました。



数ヶ月度、売上は倍に

今回のことがきっかけで
Drもよく思ってくれたらしく

その後の情報提供の甲斐もあり、

数カ月後には
売上が倍になりました。

MSさんからも
連れて行ってよかったと
おっしゃっていただき

その後、説明会も組んでくれ、
他の製品の採用もかないました。

ぼくは釣りもゴルフも得意じゃないので
付き合いは一切しませんでしたが、

それでも
その後、担当が変わるまで
よくしていただき、
MR人生の中でも
思い出の濃いDrです。



営業所メンバーにアンケートをとった


じつはこのエピソードを
営業所のメンバーに飲み会で話しました。

「どうする?」ってみんなに聞いたら
結果が面白かったです。


若手 → 黙る。だって売上なくなるじゃん。
ベテラン→ 正直に言う。ウソはいかん。



こんな傾向がありました。

なので、きっとDrも
「おまえ若いのに正直で偉いな」
と思っていただいたのかもしれません。



売りたいものをあえて引っ込めることで得られる信頼

今回は、
使わないでと言ったら売上が倍になった
という実体験をお話させていただきました。

MRが、いくら遠巻きに
あの手この手を使おうとも

最後には自社品を使ってほしい下心を
Drは100%知っています。

営業としては、
数字を上げることが最も大切ですが、

一方で、MRだからこそ
患者さんやDrにとって不要だったり、
不利益となることがわかった瞬間、

目先の利益を手放す勇気が
必要だと思います。

もし、正直さを試される場面があれば
この話を思い出していただけたらうれしいです。


※関連
「MRの3つのやりがい」
についてはこちらの記事をご覧ください。

それでは、
事故と体調に気をつけて
よいGWをお過ごしください♫

次回は、長年の内勤術であみ出した

「ワンコインスタバ内勤のススメ」


というお話をさせていただきます。


それではまた次回お会いしましょう!


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