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使わないでと言ったら売上が倍になった話
こんにちは、現役MRのきすけです。
前回は、
プロコーチから客観的視点で語られた
「MRで知らず知らずに身に付いている力」
についてお話させていただきました。
有料プランをあえて
紹介してこなかったコーチ
結果、
短時間でぼくはこのコーチに
信頼を寄せました。
この、
売りたいものをあえて
引っ込めることで得られる信頼
について、今回は自身の
経験をお話させていただきます。
ベテランの先輩から引き継いだエリア
![](https://assets.st-note.com/img/1682724250523-cDZeA64Ksq.png?width=800)
何年も前の話です。
転勤ののち
担当歴の長いベテランの先輩から
引き継いだエリアを
まわることに
先輩も、THEベテランらしく
激強のところと、
ぜんぜん行っていない施設で
はっきり色が分かれている
エリアでした。
なので、
先輩の強かった
数字大きいところは
早いところ顔を作りつつ
新規開拓も
どんどんしていこう!
という意気込みで
仕事をスタートさせました。
MSさんに連れて行っていただいた新規先
![](https://assets.st-note.com/img/1682724258166-TKvNhc479B.png?width=800)
頼りにしていたMSさんから
こんなお誘いが
MSさん:「〇〇さん(ベテランの前任)は全然行っていなかったけど、△△(主力品)の売りもあるし、Aクリニック一回行ってみない?あまりMRと会わない先生だけど、オレなかよしだから」
いろいろ新規開拓せねばと
思っていたので
ありがたく連れて行って
いただくことに
こういう処方元に強くて
顔をつないでくれるMSさんがいると
MRはホント助かります。
競合はプライベートな付き合いもしていて"激強"
![](https://assets.st-note.com/img/1682724269009-M8k9NwA9Zb.png?width=800)
事前情報では
どうやら競合メーカーのMRが
釣りとかゴルフとかいろいろ
プライベートの付き合いもやっていて
Drと仲も良く激強とのこと
でも一つだけ
不思議なことがありました。
そんな激強他社の競合品より
長年顔すら出していなかった
うちの製品の方が
処方量が多いというんです。
なにか理由があるはずだから
Drに聞いてみようと思い
面会当日を迎えました。
競合品より自社品が出ていた理由
![](https://assets.st-note.com/img/1682724279606-anc2r7WM4q.png?width=800)
診察室に入るとそこには
少し色黒で、50前後の
体育会系ノリのDr
いかにも
"義理堅そうな雰囲気"
Dr:「〇〇(会社名)さんはずっと付き合いがなかったから会うか迷ったけど、〇〇(MSさん)くんが言うからさー」
お会いいただいことに
お礼を伝え、少し小話したのち
例の、自社品が出ている謎について
ストレートに聞きました。
ぼく:「先生、うちのメーカーはずっとお伺いしていませんでしたし、きっとよくは思っていないはずです。そして、〇〇さん(競合)と懇意にされていることも〇〇(MSさん)から伺っています。
どのような理由で、弊社製品をお使いいただいているのでしょうか?」
Drの回答はこうです。
Dr:「あぁなるほどね。
おたくのが"薬価が一番安い"からだよ
うちの患者さんは、
少しでも安いほうが良いという方も
少なくないんだ。」
なるほど、
患者さん想いのDrです。
でも、違う。
薬価は競合の方がむしろちょっと安い!
どうやらDrは勘違いによって
うちの製品を使っていくれていたようです。
さて、
ここでとりうる
選択肢は2つです。
知らぬふりをしてやりすごす
正直に言う
あなたならどうしますか?
正直、ぼくは一瞬、心のなかで迷いました。
(本当のことを言いたいけど、きっと言ったら売上は減る。どうしよ…と)
多少の魔が差したのは白状します。
でも、そんなカッコ悪い
ことはしたくなかったので
正直に話しました。
ぼく:「先生、大変ありがたいんですが、
じつはうち、一番安くないです…。
B(競合品)の方が、〇〇円安いです。
薬価を気にされる患者さんには、
B(競合品)への切り替えもご検討ください。」
売上が減るのは正直キツイけど
もともと会ってくれるだけでラッキーだし、
また他の製品でがんばろと
心の中ではすでに開き直っていました。
「わかった切り替えるね。」
と言われるかと思ったら
反応は意外なものでした。
Dr:「君、偉いね。
そんなこと言うMRさんめずらしいよ。
いいよ、
薬価もそこまで大きく変わらないし
患者さんも変更は嫌がると思うから
そのまま使う。」
ちょっとウルっときたし
もうこのDrのことが一気に好きになりました。
数ヶ月度、売上は倍に
![](https://assets.st-note.com/img/1682724291888-eUzLP0m2CJ.png?width=800)
今回のことがきっかけで
Drもよく思ってくれたらしく
その後の情報提供の甲斐もあり、
数カ月後には
売上が倍になりました。
MSさんからも
連れて行ってよかったと
おっしゃっていただき
その後、説明会も組んでくれ、
他の製品の採用もかないました。
ぼくは釣りもゴルフも得意じゃないので
付き合いは一切しませんでしたが、
それでも
その後、担当が変わるまで
よくしていただき、
MR人生の中でも
思い出の濃いDrです。
営業所メンバーにアンケートをとった
じつはこのエピソードを
営業所のメンバーに飲み会で話しました。
「どうする?」ってみんなに聞いたら
結果が面白かったです。
若手 → 黙る。だって売上なくなるじゃん。
ベテラン→ 正直に言う。ウソはいかん。
こんな傾向がありました。
なので、きっとDrも
「おまえ若いのに正直で偉いな」
と思っていただいたのかもしれません。
売りたいものをあえて引っ込めることで得られる信頼
![](https://assets.st-note.com/img/1682724299608-Z4AIKIA6hF.png?width=800)
今回は、
使わないでと言ったら売上が倍になった
という実体験をお話させていただきました。
MRが、いくら遠巻きに
あの手この手を使おうとも
最後には自社品を使ってほしい下心を
Drは100%知っています。
営業としては、
数字を上げることが最も大切ですが、
一方で、MRだからこそ
患者さんやDrにとって不要だったり、
不利益となることがわかった瞬間、
目先の利益を手放す勇気が
必要だと思います。
もし、正直さを試される場面があれば
この話を思い出していただけたらうれしいです。
※関連
「MRの3つのやりがい」についてはこちらの記事をご覧ください。
それでは、
事故と体調に気をつけて
よいGWをお過ごしください♫
次回は、長年の内勤術であみ出した
「ワンコインスタバ内勤のススメ」
というお話をさせていただきます。
それではまた次回お会いしましょう!
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