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蛭子(蛭児)について研究してみた。

蛭子(蛭児とも)は、イザナギ、イザナミ神の最初の子供である。
古事記では、女性のほうから声掛けしたので、失敗してできた子供で手足が立たない子供だったので、川に流したという逸話がある。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%AB%E3%82%B3


人権もないし、なんたって神様たちなので、古代では都合の悪い子供は捨てたということだ。ああ、残酷。
ついでに、イザナミ、イザナギ神には治癒能力の神力はなかったらしく、不自由な体の子供を治療した形跡もない。調べると、一応3歳までは育てたらしいが・・・。はいはいしかできないとわかったので、捨てたってことだろう。
(まあ、ギリシアの神様でも足が悪い神様がいるから、そんなものか・・・・。現代でも、障害のある子は育てられないので、養護院に引き取られたりする。)
この夫婦神は、国産みするだけの役目の神様ってことなのかもしれない。


「天地開闢において神世七代の最後に伊邪那美命とともに生まれた。そして高天原の神々に命ぜられ、海に漂っていた脂のような国土を固めるべく、天の浮き橋から天沼矛で海をかき回し、出来上がった淤能碁呂島にて伊邪那美命と結婚した。国産み・神産みにおいて伊邪那美命の間に日本国土を形づくる多数の子を儲ける[3]。その中には淡路島をはじめ大八洲(本州・四国・九州等)の島々、石・木・海(大綿津見神)・水・風・山(大山津見神)・野・火など森羅万象の神が含まれる。

ああ、神様は大変である。

(というわけで、面白いことに、この2人はぜんぜん「人間」は産んでないwww ギリシアとか外国にいくと、神様は人間を作るのだが・・・。
というのも、イザナミが亡くなって根の国にいって、腐った姿を見てびっくりして逃げたイザナギに、「毎日、人間千人を殺しますからね」というのだが、いつのまに、そんな何千人何万人と人がおってん???(笑) 要するに、日本神話はてきとーなので(矛盾があるというか、それほど頭のいい人が作ってなかったんだろうwww IQにしたら100-110位で、決して150以上の人ではないことがわかる。まあ、普通の売れない小説家レベル?)、彼らが作った国土になんとなく人間が沸いてでたのかwww あるいは、やっぱりもともと日本という土地はあったんで、そこに先住民族が住んでいたかである。もちろん、先住民族は縄文人のことだ。ネアンデルタール人もいたのかもしれない。)

話がそれたが、蛭子に戻すと、古代人が全員残酷かというとそうでもなく、足の悪い大人の骨がみつかった遺跡もあって、歩けなくても家族やその村の人の協力で、なんとか平均余命が30歳未満でもちゃんと30歳40歳まで生きていた人だっていたのだから、立派である。
(まあ、考えようによっては、古代は人口がめちゃ少なくて、ちょっと歩けないだけで、でも手は動かせる人は、家の中で草鞋を作るとか裁縫をするといった、きつくない仕事はできるわけで、縄文クッキーくらいは座って作れたのだから、十分生存価値があるというものである。)

蛭子は、名前のとおり、手足に骨がなくぐにゃぐにゃで「蛭」のようだったのでそう名付けられたのだが、蛭は、農業特に水田稲作にはいたらよろしくない害虫である。水田にはいって、蛭がいっぱいいたら、血を吸われてしまう。他に山にもいるらしく、木の上から落ちてくるんだそうだ。ああ、怖い。吸血生物なのだ。

つまり日本人で、稲作をめでたくやりだした大和朝廷の先祖からみたら、「こりゃ、おらんほうがいい」っていう生物で、それに似ていたのだから、「めでたくない」といって捨てたくなる気分もわかる。
古代エジプトでも、都合の悪い、育てられない子供などは川に流されますね。たしか、十戒を神様からもらったモーセも流された子供で、王家に拾われて王子同様に育てられました。ひろってもらう人が、お金持ちだといい教育をうけられますね。

というわけで、身体障碍者に生まれた幼児、蛭子は川に流されて当然あっさりと死んだのだろう。ああ、かわいそうに。

ところが、なぜかこの蛭子、えびす=恵比寿神として復活するのだ!!
おお、神様の子供だから、復活能力があったのか!?(笑) →違いましたwww ただの混同らしいです。




ヒル = 稲作の外敵 だから、河に流したのでしょうねえ。死ぬとかわいそうだから、恵比寿としてよみがえったというのは後付けでしょう。
えびすだと、インドとか由来の外国の神様が、仏教に取り入れられたのでしょう。たぶん、読み方の当て字では???

「えびすは日本ので、現在では七福神の一員として日本古来の唯一(その他はインドまたは中国由来)の福の神である。古くから漁業の神でもあり、後に留守神[注釈 1]、さらには商いの神ともされた。蛭子蝦夷恵比須恵比寿恵美須恵美寿などとも表記し、えびっさんえべっさんおべっさんなどとも呼称される。」(Wikipediaより引用)

しかも、恵比寿神になると、でっぷりしてひげのあるおっさん神様で、七福神では、鯛と釣り竿まで持ってます。海の神様になってますね。

「記紀神話において、蛭子命は3歳になっても足が立たなかったために流し捨てられたとされる。その神話を受け、流された蛭子命はどこかの地に漂着したという信仰が生まれ、蛭子命が海からやってくる姿が海の神であるえびすの姿と一致したため、2神は同一視されるようになった。このえびすを蛭子命と見る説は、室町時代のころに現われたものであり、えびすを夷三郎と呼ぶのは『日本書紀』において3番目に生まれたことによるとされるが、前述のように本来は夷と三郎は別々の神だったのが混同されたものである。」
とありますので、なんだー、案外と新しいです。室町時代では、古事記とはぜんぜん関係なく、そこそこ新しく、「混同」されただけのようです。

日本人は、優しいというか、判官びいきで弱いほうに味方する傾向がありますから、水子地蔵のように手厚くまつったのでしょう。

まあ、それはともかく、恵比寿様と混同されていない、純粋の蛭子の神社はいくつかあります。
徳島に多いらしいのですが、まあ、四国・瀬戸内海あたりが国生みの場所だから、最初の神様っぽい、人間体の予定だった蛭子が、四国周辺であがめられていた(というか同情?)ので、神社が多くても当然でしょう。

蛭子神社は、兵庫、神奈川、鹿児島にもあるようです。
うーん、やっぱり身体障碍のある赤ちゃんを産んだりした夫婦が、自分の子供の代理で、神様として神社を作ったのが、日本のあちこちにあっても不思議はないと思います。


インドとかだと、頭が2つある子供は神様扱いされたりする。
「不具の子にまつわる類似の神話は世界各地に見られるとされるが、神話において一度葬った死神を後世に蘇生させて伝説や信仰の対象になった例は珍しいという[3]。」

なんというか、日本人の微妙な、よく言えば優しさと、悪く言えば生ぬるさを感じるのでありました。
災害の多い日本で、1回失敗しただけで、死んでいたらやってられんのだ。災害が来ても、何度も何度も立ち上がる、リベンジ力が必要なのだ。
→NEETの人に、聞かせてやりたい(苦笑)。家に、蛭子を祭りなさい!!w

一方で、「昼の子」「日る子」ともかけるので、太陽神だという話もある。
太陽だとしたら、手足なくても普通だろう。

「「ひるこ」は天照大神(あまてらすおおみかみ)(大日霊貴(おおひるめのむち))の名と一対となる。わが国には、空舟(むなぶね)に乗って水上を来臨し、尊貴な存在として出現する伝承が多く、蛭児の流し捨てもこの神話の発想を基とする。」

太陽は、植物、特に稲作の恵みでもあるし、小麦育成の多い土地でも、世界中でだいたい神様扱いです。農耕は、天気に左右されますからね。

というわけで、蛭子の研究でした。

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