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機嫌をとる必要なし


協会と会員の対等なつながり

会社と顧客の関係は、一般には
「会社が下」「顧客が上」
であることが多い。
なので会社は、顧客にサービスをし、顧客のことを「様」と呼ぶ。

いっぽう協会と会員の関係には、そうした上下の概念はない。
いやむしろ「協会のほうがちょっと上」と言えるかもしれない。

協会は会員にサービスをしない。
協会は会員のことを「様」と呼ばない。
「さん」で十分だ。

逆説的なサービス表現

しかしじつのところ、会社ですら
「会社が下」「顧客が上」
を否定する場合もある。

たとえばスターバックスでは飲みもののサイズを「ショート」「トール」などで表現するお約束になっている。
わかりやすく「スモール」「ラージ」でよさそうなものを、あえてわかりにくく表現している。

またたとえば高級料理店のメニューには、意味のよくわからない料理名が多い。
いったいどんな料理なのか、説明がないと客にはさっぱりわからない。
あえて客が理解できないような料理名をメニューにのせている。

これは、「会社が下」「顧客が上」という世界では、ありえないことだ。

意図が透けてみえるサービスは嬉しいか?

客を満足させようと必死になればなるほど、かえって客は興ざめする。
「満足させよう」とするサービス側の意図が透けてみえると、客はしらける。
下手に出れば出るほど、客の気持ちは逆の方向へ向かう。
わかりやすくなればなるほど、客は飽きる。
「自分に従属する人」からのサービスは、価値が低く感じられるからだ。

その点、たとえば筆者の近所の寿司屋の親父などは、職人として「客をちやほやなんかしないぞ」という姿勢を貫いている。
めんどくさい親父だが、客はその価値をありがたがる。

メニューのわからない料理店も、スタバも、分りにくい言葉をあえて使う=不親切に徹することで、客よりも上の立場を示そうとしている。
それがかえって、価値を上げている。

協会は機嫌をとる必要なし

客にへつらい、客の言うことを何でも聞く、といった態度では、客は喜ばない。
「自分より立場が下の人」から必死のサービスを受けてもうれしくないからだ。
受け身でどーんと座っている客に、手とり足とりの奉仕をするだけでは、客は感謝しない。

このことを理解している会社は、
「会社が下」「顧客が上」
の図式から外れようとする。

協会であれば、なおさらだといえる。

協会は、会員に「奉仕」するものではない。
会員の機嫌をとる必要もない。
共に歩み共に成長するパートナーとして対等(あるいはちょっと上)の立場をとる。
それがかえって、協会の「ありがたみ」を増すことになる。



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