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見えない蓄積:クリティカルマスとゴーイングコンサーンの力

これまであれやこれや努力をしたのにぜんぜん売れなかったのが、ある日突然、なぜだか売れはじめる。
これまで眠っていた何かが目覚めたかのように売れはじめる。
そういう分岐点のことを「クリティカルマス」と呼ぶ。

「クリティカルマス」はビジネス以外でも起こる。
たとえば、これまで懸命に勉強したのに成績が上がらなかったのが、あるときから急に成績が伸びる。
これまで毎日練習してきたのに試合にぜんぜん勝てなかったのが、あるときから急に勝ちはじめる。

なぜそうなるのか、正確な理由は分かっていないが、

努力はコップに水をためるようなもので、しばらくのあいだは何も起きない

あるとき、ついにコップは満杯になり、水があふれだす。

クリティカルマスとはそんな感じのものだとも言われている。

「101匹目のサル」の話もこれと似ている。

ある島で、海水で芋を洗って食べると塩味がして美味しいことを最初のサルが知った。
島のほかのサルもそれを真似、海水で芋を洗って食べるようになった。
島で海水で芋を洗って食べる猿が100匹になったとき、不思議なことに違う島にいる101匹目のサルが突然、だれに教わったわけでもないのに海水で芋を洗いはじめた。

という話だ。

この話は作り話だという説が濃厚だが、いずれにしても、
「なにかが見えないところで蓄積し、あるときそれが突然表面化する」
という現象を表している。

ようするに

  • やってもやっても結果が出ないと悩んでいても努力は止めるな。

  • 見えないところで努力は蓄積されている。

ということを言いたいわけで。

会社は、方向転換がしやすい。
事業がうまくいかないと思ったら事業を変えることができる。
たとえば MIXI(ミクシィ)という会社は昔はSNSの会社だったが、いまはもっぱらゲーム事業に注力している(SNSは止めてはいないようだが)。

ところが、協会は方向転換をしにくい。
1人でも会員が誕生したら、会員のためにやり続ける責任がある。
そう期待されている。

うまくいかないからといって、昨日までヨガの協会だったのが、今日から食の協会になるわけにはいかない。
昨日までヨガの会員だった人が、協会の都合で今日から食の会員になる、なんてことは、ないからだ。
昨日までヨガの協会だったのなら、今日も明日もヨガの協会であり続けることになる。
苦しくてもやめるわけにはいかない、これを「ゴーイングコンサーン」という。

だから
「やってもやっても結果が出ないと悩んでいても努力は止めるな」
これが協会の場合はとくに重要。

  • 見えないところで努力はかならず蓄積されている。

  • ある日それがクリティカルマスを生む。

これを信じよう。



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