団欒
例年決まって顔を出す
約束も無い集まりに
楽しかろうがなかろうが
喧しいくらいの笑い声
騒ぎついでの告白に
滴る悲哀も受け入れて
座敷にこぼした酒の跡
お開き告げる柏手に
最後のシーンはお約束
バカチョンカメラのフィルムに
肩を並べて閉じ込める
思えば時代も移ろって
世間の私も流されて
毎夜溺れるパラドクス
脳は白化の珊瑚礁
変わり損ねた遺伝子に
未だ心は支配され
置いてきぼりの待合室
遊び相手は電子頭脳
煩わしさを懐古する
孤独を知るには遅すぎた
やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール