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絵を描いて

真昼の陽光が
ほとんど垂直に
屋根に落ちる
その影に隠れては
目立たないように
暗い部屋灯り
眺める事も
覗く事も
カーテンの気分と
締め切った窓
境界線上の指の跡
思い出していたいのか
退屈に飽きた頃
その軌跡に
瞼を重ねたり
独り言を
姿鏡に映しても
僕は僕を見たくない
だから
その代わりに
絵を描いてみては
僕を見つけたような
そんな気になって
その時だけの心地良さ
単なる個人的埋没
それで充分生きていける
そう思っていたい
それだけのこと

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール