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夜行性

闇を突いてほっついて
都会の寝床は生臭い
鼻をつまんで花粉症
丸めたティシュは道標

路地裏どんつきごろついて
一途になるには嘘臭い
忘れ難きを縫い付けた
枕を抱えて逃避行

月の光に晒されて
孤独と言うには青臭い
ブランコ揺らして靴飛ばし
裸足になったら朝が来る

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール