灰色
まったく
無駄に広いんだ
古びたモールの
中庭広場
枯れた噴水を
跨いで歩けば
水道管には
夏の思い出が
薄氷の面で
鍵をかけたまま
やけに大きな
街路樹の根が
石畳のつなぎ目を
持ち上げながら
破れた秩序を
整えている
灰色がかった
円柱舞台には
季節外れの
鮮やかな色彩を
恥じらいもなく
手に乗せて遊ぶ
子供達が
笑っている
やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール