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刀削言

鍛えた刀は持ってない
身分も才も無いからな
悔しいけれどボヤくのは
埋まらぬ溝に滑り落ち
もがいた私の断末魔
なかなか死なない断末魔
どこぞのガキが蹴飛ばした
空き缶拾って溝の石
カチカチ打ち付け研いでみる
こんなものでも上等さ
息を吸ったら振りかざし
息を吐いたら振り下ろす
温みを残した血しぶきが
削った言葉にこびりつく
傷みを痛みで慰めて
もがいた私の物体が
さっぱり削れて消えるまで
ひらひらひらひらまたひらり
埋まらぬ溝に呑まれてく

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール