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落とし物

不自然に丸まった背中
始終背負い込んだ荷物
下ろせずにいるのは
大切だからだろうか
歩けなくなってしまう
根拠のない不安からか

のしかかる鈍い重量感
それが張り合いにもなる
しかし空虚な重力として
自由を放棄する方便が
単なる疲労感と呼ぶべき
見るに及ばぬ痕跡を残す

運ぶ理由などという物は
どこかに落ちたのだろう
辿り着こうとした場所も
もとより無かったに過ぎず
そんな事実を押し潰すため
新たな荷物を背負い込む

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール