見出し画像

漂泊の椅子

コケモモの葉が重なって
互いの指先比べたら
その空白を埋めるため
白いお花の玉っころ
新たな余白に丸まって
羽ばたき拙い鳥の子も
朝に闇夜に騒いだら
親のフレーズ生写し
景色のフレーム飾り付け
季節の巡りの様々に
一切躊躇も在りもせず
そんな姿に羨みが
伝う私の襟足も
誰かの眼にはそれなりに
映ることかと言い聞かせ
未だ座れぬ椅子抱え
明日は何処に向かうのか

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール