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親孝行

守りたかった最初の二人
仲が良かった訳でもない
毎晩深酒管巻いて
しらふが油に火を注ぐ

僕は小さな世界地図
涙をたくさん持っていて
言葉は何にも出なかった
記憶はしがなく刻まれて

仕様がないから愛してた

お父はとっくに逝ったけど
お母はぼちぼちボケたけど
お家も誰かに売ったけど
未だに昔は変わらない

僕は折られた世界地図
涙はどこかに置いてきて
言葉はどうにか辿ってる
だからこのまま仕舞い込み

仕様がないから愛してる

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール