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弾かれた夜、追いかける僕

雨も降らないのに
樋からトトトトト
今日が峠みたいな
心電図のパルス音

さっき見かけた月は
風呂上がりの合間に
舞台に煙幕を撒いて
背中も流さずに消え

残り香を辿ってみたり
僕にまるで気付かない
つれない君を想ったり
素足のままで外に出る

蒸し暑さが秋風の隙間に
弾かれた夜、追いかける僕

受け取りたくて手を放す
弾かれた僕、追いかける夜

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール