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猟犬

鈴の音シャリンシャ首に巻き
掠れた匂いを嗅ぎ分けて
時々何かを見つけたら
喉を伸ばして遠吠えを
マタギの翁は軽トラで
山から山へと先回り
流行りのコレラで猪は
めっきり元気もなくなって
夜鳴きの鹿は川の水
浴びて渡って雲隠れ
どちらの立場も正しいと
博愛もどきの戯れに
私の正義の曖昧さ
命を賭す程価値もなく
鈴の音くらいが正解か

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール