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ほろり

振り向けば
辿った道さえ見失い
何処かで寝転ぶ幸福と
別れた女の影を踏む

淋しさか
心の声さえ聞き取れず
喜怒哀楽の配信を
我が身に重ねて生き延びる

舞い散れば
ほろりほろりとまたほろり
いつに始まりいつ終わる
此処に来たのは何故かと問うて

ほろりほろりとまたほろり

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール