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どっかいけ

冷たく降りしきる雨みたいに
流れ落ちて行くだけの歳月は
きっと僕の一部を削りながら
とうとう手にした自由を抱え
一人じゃどこへも行けないから
いつまでも足元にへばりついて
汚れるだけ汚れた笑顔を見せる

こんな事はもう何度目だろうか
数えた事なんてないんだけれど
いつか必ず、なんて言っていたっけ
あれから僕は変えられたのか
あれから僕は変えようとしたのか
変える必要性すら考えもせず
単に今だけを手放したかった

もう一度もう一度、なぁもう一度
日曜日の折り込み広告を待つように
無邪気に繰り返された他愛無い望みも
仄暗い勝手口の脇に積み上げて
解けないように結ばなきゃいけない
そんな風に溜め込まれてしまった僕に
どっかいけって、言ってくれないか

たった一言、どっかいけって

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール