誰だっけ
声を聴いたのも
結構なご無沙汰
どっちが変わったのか
お互いきっとそう思って
矢継ぎ早に言葉を並べては
きっと変わらないであろう
面影話しを持ち出して
現在進行形に調律する
それが功を奏したかなんて
別に確かめもしない
だって顔も見えないし
そもそも見る気もないもんだ
その程度だとしても
特に嫌いなわけじゃない
まして悲しいわけでもない
だってそんなもんだろう
おんなじ思い出を
別々のポケットに仕舞い込んで
たまに弄ったりする程度
落としたと思っても
その内ポッカリ出てきたり
急に何だっけって考え込んだり
それはそれで楽しいもんだ
で
誰だっけ
やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール