エカキビト
油汚れの指先で
無垢な嘆きに磨耗した
胸の帳を縫い直す
解れた所は癖付いて
重なる糸はコブになり
いつの間にやら別の顔
見所皆無のプロファイル
不細工こその愛着も
涙欲しがる傍観者
世間話に蓋をした
世間知らずの要綱に
吐き出す糸が繭を編み
夢や希望は邪魔なだけ
時間に後ろも前もない
吐き出す糸が絵を紡ぐ
やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール