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潰れた顔

潰れた顔に雨が降る
明日も強か雨が降る
遠くで犬が吠えている
ひと鳴き毎に遠退いて
終いに輪廻の共鳴が
触れる命の戯れに

誰もあたしに気付かない
ろくに別れも伝えずに
去ったあたしがいけないの
可憐な夢を見たかった
優しい言葉が好きだった
生きていたいと思ってた

それがあたしの願いだと
信じていたのは幾日か
嘘にできない偽りを
心の折り目に綴じました
別にあたしは馬鹿じゃない
いっそ馬鹿なら良かったわ

潰れた顔に雨が降る
明日も強か雨が降る
あたしは二度と語らない
言いたい事など忘れたわ
それでも想いが残るなら
せめて野に咲く花になる

あなたが愛した花になる

ねえ、  綺麗でしょう

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール