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玉は砕けて音が鳴る

雨は次第に緩やかになった
パンツの裏側が濡れている
長靴は持っていないから
また今度にでも買っておこう

玉は砕けて音が鳴る
かれこれ昔の事だから
きっと誰にも聴こえない
そうさ誰にも届かない

雨に濡れたから風邪をひいた
飲み残した薬を引っ張り出す
雨傘は立ち寄った店に忘れた
また何時かにでも顔を出そう

玉は砕けて音が鳴る
かれこれ想いが重なれば
きっと私が受け取ろう
そうさ私が届けよう

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール