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ちょいとそこまで

真夜中が好きだから
それ以外は寝ているか
飯でも少し食うぐらい
何と言っても老ぼれて
無駄な遊びは卒業だ
声もずいぶん嗄れた

真夜中は心地良いから
ちょいとそこまで歩きたい
お前は俺のすぐ後ろ
痩せた痩せたと呟いて
いつも決まりのマンホール
そこまで来たなら抱き上げる

真夜中ついつい甘えてさ
頬を寄せては目を瞑る
お前は首を傾けて
星が綺麗と言いながら
悪いがもうじき逝っちまう
俺に匂いを擦り付ける

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール