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洪水

壱貫亨治

一昼夜
止まない雨の
声を聴き
ペンを走らせ
方舟を駆る

夢を見て
眠れるならば
幸せか
ペンを走らせ
生きていてこそ

堤防の
決壊告げる
サイレンに
ペンを走らせ
カラスを描く

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール