アタマがかゆい
今年の冬は厳しい寒さになるだろうか
電気代も灯油にしても値上がりばかりで
ささやかなだけの数え切れない暮らしには
不安が添い寝しながら絶望の種を撒いている
金の為だけに生きたかないだろうなんて
のんびり居酒屋の帰りに言ってみたところで
一文無しじゃあ誰も見向きもしないだろう
自分一人も救えず誰に手を差し伸べるのか
この国では生まれるより死ぬ人が遥かに多い
死に逝く人は自らの最期に何を想うだろう
見送るだけの人は残されてしまった事を
受け入れながらも何かを愛せるだろうか
生きなければならない者は今朝の目覚めに
どれだけの感謝と憂鬱を思い出すだろう
生まれて来る真っ新な命を迎え入れる時
僕達は希望を、夢を、優しさを、労りを
一体間違いも無く伝えられるのだろうか
なぁ
なんて悲しいんだろうな
これが世の中ってもんかな
真理を考えてみたところでさ
アタマがかゆくなるだけだろう
全くクサイアタマだよな
やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール