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耳鳴り

小春日和に引っ掛けた
毛布に残るお日様に
足を包めて背伸びして

夜は冷えるとポルックス
カストル黙って頷けば
流れる星も微笑んだ

今日の終いの安心を
話す相手も居ないから
耳鳴り拾って会話する

未来に消え去る実在を
こんなに愛した事は無い
僕は自分にそう言った

譬えば千人首振って
無価値に挙手をしようとも
僕は自分にそう言える

だからどうでも良いんだよ
不思議はそのまま見守って
耳鳴り拾って会話する


やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール