見出し画像

電気を点けて

数日前から
雨ばかりで
僕の部屋は
薄暗いんだけれど
見つけて欲しがっていた
言葉達が
ぽとりぽとり
落ちていくから
電気を点けてしまえば
きっと隠れてしまうだろう
かといって
上手に掬い上げるには
少しばかり
明かりも足りなくて
どうしようもないから
何もしないでいる事に
今さっき決めたら
薄埃みたいに
部屋を舞う言葉達が
そんな僕を見て
諦めたように
電気を点けても
構わないんだよって
僕の足元に
静かな顔して
積もり始めていた
雨音に聴き入る
そんな素振りで



やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール