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接点

僕の接点
朝のムクドリ
一杯の珈琲
散歩の老夫婦
塀越しの花
親と子供
寝ている猫
舌を出す犬
すれ違う車
歩道に落ちた虫
鈴なりの枇杷
太陽の裏側
譲り合う雲
それらの接点
ひとつずつを
結んだり辿ったり
切れたり迷ったり
いつかの果てが
いずれ還る所
広大無辺の虚無から
微粒子の礫まで
僕の接点

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール