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みちる

月が満ちる
こちらを向いて
そのほんの瞬間
それはいつの刻か
その存在の証拠
わかるはずない
調べれば良い
計算上の数値
それを知れば済むか
けれどその気も無い

満たされた途端
失われて行く
そしてまた同時刻
満たす事が生まれる
意味深な連動
偶然と呼ぶ
奇跡と讃える
日常に尽きる
私は何一つ
知りたくもない

それが私にとって
何よりも自然
大切な事
陳腐な事
保つ原理
慰めと鼓舞
諦念とスタート
言えない事
伝えられればと
掻きむしる喉

虫の声の絶
消える事の無い余韻が
あの月まで届く
離れる程
大きく確実に
遠退く程
野太く響き渡る
それが
私の世界
愛している

片想い

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール