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細い足

彼女の足は折れそうだ
どうして平気で立てるのか
若さの魔法が切れたなら
儚く倒れる事だろう

彼女の手指は羽かしら
茶碗も気遣う不確かさ
綺麗な言葉が途絶えたら
無惨に千切れる事だろう

彼女の胸はガラス玉
何でも映して吸い込んで
悲しみとうとう溢れたら
優しく砕ける事だろう

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール