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フール

純潔さも見過ごすような
未来を夢見る無謀さを
その風体には漂わさず
生まれたばかりの希望を
軽く見上げた視線に結え
満足気な顔で歩もうとする

いつか訪れるであろう苦難ですら
無防備な熱情には居場所もなく
浮かれているわけでもないけれど
そんな君を見るにつけ
心配してしまう僕なんて
きっと必要ないんだろう

先の事なんてわからないし
今の事だってわかりゃしない
君が君であろうとするのなら
その方が良いに決まっている
わかったつもりの僕なんて
きっと余計なお世話だろう

少しばかりの羨みと
申し訳程度の花束を
君の歩みの前後ろ
遠くで黙って見ているよ
優しい振りした僕なんて
きっと愚かな奴なんだ

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール