言付け
忘れっぽいからメモを取る
字が汚いから読めやしない
進歩が不在の失敗に
歩幅も次第に奪われて
歩く速度も遅くなる
背負い切れない荷物なら
端から手ぶらで歩きたい
やたら重たい荷物など
背負った理由に義理もない
旅路と呼べば気も晴れた
ホームで列車を眺めてる
荷物を忘れた旅人は
行くか戻るか留まるか
思案六法の缶ジュース
ゴミ箱探しに歩き出す
忘れっぽいからメモやめた
そもそも書くのが面倒だ
終着駅の時刻表
言付け誰かに願います
僕は確かに生きていた
やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール