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立ち止まる月

こんこんと
渇いた吐息に
絡まって
冷たい空に
立ち止まる
壊れた月の
裏側に
故郷があれば
帰りたい

こんな日は
一層お前が
恋しくて
会えないからこそ
側にいて
そんな勝手も
ないけれど
どうか黙って
聴いていて

立ち止まり
剥がれた月の
内側に
二人の影を
落としてひとつ

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール