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寝たきり船乗り

昔は船に乗っていた
多少は知れた船乗りだ
今となってはこの体
潮風さえも沁みよって
どうせ動かん昼夜も
窓から見える水平線
眺めて探す儂の船
見つかる筈もない上に
見つけた所で何になる
その内どうでもようなると
願いの矛盾に軟膏を
指もとうとう捻れてよ
目やにもあんじょう取れやせん
死んだら何処に行くんかい
昔は船に乗っていた
多少は知れた船乗りだ
迎えは船に頼んだで

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール