見出し画像

トンガリ屋根には風見鶏

息も付けない登り坂
いつかの終わりはまだ遠く
振り向く目元に海の色
随分高くに来たもんだ

生まれ育った街並みを
見渡しながら手を離す
二度と帰って来ないから
そんな覚悟もないけれど

別れてしまえば遠くなる
人の気持ちも思い出も
時の風雨に晒されて
いちいち縋っちゃいられない

トンガリ屋根には風見鶏
浜風届ける波の声
私を真っ赤な夕焼けと
綺麗な月夜に置いたまま

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール