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風に吹かれて飛んで行け

北の空から大風が
何にも持たずにやって来た
別れを躊躇う木々の葉も
漸く慌てて飛び降りて
舞い散る姿を競い合う

北の空から大風が
全てを抱こうとやって来た
軋んだ戸板に寝転んで
谷間に汽笛を吹き鳴らし
山には馬蹄を響かせる

北の空から大風が
何にも残さず消えてった
突然現る静謐に
月の光も落っこちて
無垢な姿を曝け出す

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール