ひとつの世界
僕が眺める風景は
たったひとつの物語
独り善がりと言うものの
代わりが在ろう筈も無い
そこで育った生物が
僕の姿の裏側で
始終疑問を投げ掛けて
めんどくさいと笑ってる
呆れて僕は生真面目に
諭して宥めて誤魔化して
結局最後は適当に
答えが有るのか無いのやら
何にも変わらぬ気もしたり
ずいぶん遠くへ来たものと
峠の彼方を仰いだり
所構わず雑魚寝する
僕が眺めた風景に
価値や意味など無かろうと
替えが無いなら在るが儘
ひとつの世界と道連れに
やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール