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凡才

夜のしじまを蹴散らして
バイクのがなりが遠退いた
余計な命の狂熱か
暇な自己への引導か
無気力垂らして頬杖を
ついた事さえ忘れてら
望んだ訳でもないけれど
一雨毎に春が来て
枯らした筈の草が伸び
晴れたらどうせ蹴躓く
えへへと笑って見せるのも
他人の基準で計るから
そんな凡才溢れてる
私の抒情と触れ合って
過ぎ去るだけの過客にも
語り尽くせぬ物語
せめて言葉を紡いだら
せめて絵筆に託したら
強がる仕打ちに途絶した
愛せたはずの徒然も
エヘヘと笑ってくれるだろう

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール