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通信障害

唐突な訪問に
狼狽するゆとりは無い
眼前にカチカチと浮かぶ
砂の減らない砂時計
待つ事を待ち切れず
すでに分かっていながら
悟られまいとする悪足掻きは
救いの標としたい言い逃れ

午前一時の奥地にて
節足動物は息を潜め
深い眠りは眠らされたまま
眼光を照らす一万色のドットに
慰安の全てが宿りながら
結局のところ真相は不明
もはや見識の至る圏外へと
途絶えた信号が脳漿に墜落

障害発生
障害発生

速やかに復旧
速やかに復旧


やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール