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黄昏に吠え

犬が鳴く
音は遠くで
跳ね返り
無言で揺れる
木立の斜陽
霜柱
乾いた路面に
張り付いた
古い言葉は
死んで行く
目的も
到達点も
星の影
瞬くばかりの
独り言
さようなら
いつか伝える
愛もある
たとえばそれが
宙の果て
今一度
出会えたならば
黄昏に
消えない叫びを
掻き集め
吠えていようと
声を飲み干す



やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール