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現実

休んでいる
仕方ないんだ
やりたい事をやっている
とでも言えたなら
気が紛れるか
いや
紛らすための気持ちって
どこにあったっけ
植木鉢の下
玄関ポストの裏
ロングブーツの爪先
頭に引っ掛けた眼鏡
ないか
現実ってのは
幻の総意だ
逃れられそうで
だいたいしくじる
それが現実だって
吐いたら負け
わかっているんだよ
また負けか
そういや
梅雨入りしたんだってな
それも現実かって
まったく
どうだっていいよ

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール