骨董屋
白檀香の縞模様
桐の箪笥に備前焼き
茶運びカラクリ骨董屋
主人は常々座位のまま
首からルーペがご愛想
煙草をしこたま吸い込んで
時折ぶつくさ独り言
画狂卍の掛け軸も
客寄せパンダのイミテイション
安土桃山江戸維新
文明開花にデモクラシー
欲しいものなど何もない
眺めるくらいが程々で
主人は黙々承知して
一瞥したなら煙吐く
歴史のスキャット三坪半
やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール