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壱貫亨司詩作集め
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2021年5月の記事一覧

空の鱗に跨って

空の鱗に跨って 星座の隙間に顔を出し 僕の全てを見下ろして 愛を詠った夜を待つ 空の鱗に跨…

壱貫亨治
3年前
26

迷い犬

曇天の山から 犬の鳴き声が 聞こえてくる 野犬は今じゃ 絶滅種だから おそらく迷子の 飼い犬だ…

壱貫亨治
3年前
22

病床

誰とも話しをしないくせに 頭の中は誰彼構わず会話が続く 残響の余韻は心地良いわけもなく 堪…

壱貫亨治
3年前
24

空腹

フードコートの午下り 遅めの昼飯物色し 空腹抱えて欲が出る 腹が減ったら食えば良い たらふく…

壱貫亨治
3年前
19

カンザシ

黒髪結えて髪飾り 直ぐなる色香の潔さ 町屋の女が歩いたら 荷馬車も流し目立ち止まる 若さは…

壱貫亨治
3年前
37

麦わら

サヨナラばかり言い過ぎて 近頃専ら不感症 恋の窓辺のセレナーデ 感傷求める鈍感さ 飢えに渇…

壱貫亨治
3年前
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白ウサギ

メタセコイアの延長線 町を結んで綱渡り 毛細血管シーオーツー 四角い空の対角線 飛行機雲の粉ふるい カラスが飛んだらチョココロネ 路上に埋まった中央線 カーブで滑って白ウサギ 懐中時計の行き止まり 過ぎた足音平行線 記憶の宮殿あぶらぶき 上から下からコッコッコッ

抱擁

抱きしめたい 言葉とおやつは後にして 誰かと誰かの胸の中 ふたつがひとつになる夢に 焦がれて…

壱貫亨治
3年前
18

吾輩は猫

吾輩は猫 名前は幸福 身体のデカさが語り種 殆ど白だが黒もある 誰かの心と似たもんだ 吾輩は…

壱貫亨治
3年前
24

霧雨

夜更けにふんわり霧雨が 音も出せない柔らかさ 落ちてる事も気付かずに 乾いた地面に潜り込む…

壱貫亨治
3年前
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